平野啓一郎さん サイン本入荷 ご注文承ります

北九州市出身の作家、平野啓一郎さんのサイン本が入りました。
デビュー作『日蝕』(芥川賞受賞)から映画化もされたロングセラー『マチネの終わりに』まで、各時代の作品が揃っております。小説作品は全て単行本です。各1冊ずつしかございませんので、ご注文はお一人様1冊とさせていただきます。なるべく沢山の方に手に取っていただくためですので、ご了承下さい。ご所望の本の写真を予めお送りすることもできますので、お気軽にお申し付けください。

ご注文は5月9日(土)の午前10時から承ります。必ずご所望の本のタイトルを指定してご注文下さい。先着順ですので、品切の場合もございます。予めご了承下さい。ご注文は contactのお問い合わせフォームよりお願い致します。(混乱を避けるため、今回はインスタグラムのDMでのご注文はご遠慮下さい)。お問い合わせフォームはこちらです。
5/10(日)より予約制にて試験的に営業を再開致します。店頭でのお受け取りも可能です。詳しくはこちらをご覧下さい。
郵送サービスを実施しております。

※上下巻本もご注文はどちらか1冊とさせていただきます。
※サイン本以外の当店の書籍を併せてご購入をご希望の方も、先にサイン本のみのご注文をされることをお勧めします。
※お求めやすい価格にしておりますので、転売目的や業者の方のご購入はご遠慮下さい。

サイン本 詳細

『日蝕』 新潮社 ¥5,000 1999年発行 第5刷 サイン入り カバー裏と天の小口に少し日焼けと染みあり。カバー上部に裂け目あり。最後の2ページに少し折れ目あり。

『一月物語』 新潮社 ¥3,000 1999年発行 初版・帯付 サイン入り 天と地の小口に若干染みあり。全体的に保存状態良好。

『文明の憂鬱』 PHP研究所 ¥2,500 2002年発行 初版・帯付 サイン入り カバーによれあり。天と地の小口に少し日焼けあり。前小口に2ヶ所染みあり。栞ひも脱落。

『葬送』第一部 新潮社 ¥3,500 初版・帯付 サインと落款入り カバーに少しよれ、カバー裏に日焼けの跡。全体的に保存状態良好。

『葬送』第二部 新潮社 ¥3,500 初版・帯付 サインと落款入り カバー上部に少しよれ、カバー裏に日焼けの跡。帯の裏に輪ゴムの跡。全体的に保存状態良好。

『滴り落ちる時計たちの波紋』文藝春秋 ¥3,500 2004年発行 初版・帯付 サインと落款入り 美本

『高瀬川』 講談社 ¥2,500 2003年発行 初版・帯付 サインと落款入り 天の小口とカバーの裏に少し日焼けあり

『ドーン』 講談社 ¥3,000 2009年発行 初版・帯付 サインと落款入り 美本

『かたちだけの愛』 中央公論新社 ¥3,500 2010年発行 初版・帯付 サインと落款入り 美本

『決壊』上巻 新潮社 ¥3,500  2008年発行 初版・帯付 サインと落款入り 天に少し汚れがある以外、全体的に保存状態良好

『決壊』下巻 新潮社 ¥3,500  2008年発行 初版・帯付 サインと落款入り 美本

『マチネの終わりに』 毎日新聞出版 ¥2,500 2016年発行 第13刷 帯付 サインと落款入り 美本

『私とは何か』 講談社現代新書 ¥1,500 2012年 第二刷・帯付 サイン入り 美本

『本の読み方 スロー・リーディングの実践』 php新書 ¥1,500 2006年 初版・帯付 サインと落款入り 美本

『ヒューマン・コメディ』ウィリアム・サローヤン

【コロナの今おすすめの本】文学編1
『ヒューマン・コメディ』ウィリアム・サローヤン(小川敏子訳、光文社古典新訳文庫)

「悲しいときほど、人に優しく。」
今、こんなにシンプルで、こんなにも私たちを惹きつける帯があるでしょうか。
実はこの帯は以前からのもの。
サローヤンの作品の美学が端的に表された言葉だと思います。

第二次世界大戦中に刊行されたこの作品は、その時代を生きる一つの家族と、彼らが出会う人々とのふれあいを描いたもの。

末っ子(後に4歳と判明)が汽車に手を振り続けていると、中からたった一人、黒人の男性が手を振り返してくれた———
冒頭で、他愛のない交流が、4歳の子どもの眼差しを介して実に鮮やかに描き出されています。知らない人が知らない人のために優しくすること、そしてそれを大切な思い出として刻んでゆくこと。この交流は些細であるがゆえに一層美しいように思われます。『ヒューマン・コメディ』はそんなささやかな優しさと誠実さが、ひたすらに重ねられていく物語です。

誰かの優しさのありがたみは、悲しいかな、自分の不幸の大きさに比例している。
そして自分が不幸な時、誰かに優しくするか、誰か嫌がらせをするかで、自分の人間性は決まってしまう。
サローヤンの代表作『僕の名はアラム』は幸せな子供時代を振り返った自伝的な作品だと旧訳を読んで思っていました。しかし新訳のあとがきで柴田元幸氏がそうではないと書いていて、古典新訳文庫のサローヤンの年譜を見たら、かなり悲壮な一生だったよう。彼は優しさの重みを知り尽くして、「真実」ではなく「真実であるべき」物語を編み上げたのでしょう。

「悲しいときほど、人に優しく」。悲しみに、邪悪な思いに負けそうになったら、手にとってみてください。