数人で読む外国文学2020⑦早川書房選書チーム

選書テーマ【さよならから はじまること】
そこから旅立つことは、とても力がいるよ
自分をつらぬくことは、とても勇気がいるよ

早川書房選書チーム/翻訳とミステリなら早川書房!近年では中華SF『三体』の爆発的ヒットは言うまでもなく、パオロ・ジョルダーノ『コロナの時代の僕ら』をいち早く全文公開(現在は終了)、ヴァージニア・ウルフ『病気になるということ』の新訳公開など、オンラインの情報発信も話題となっている、海外文学ファンには欠かすことのできない出版社 「さよなら」という言葉のもつ美しさに沿った、一度読んだら忘れることのできない本を選んで頂いたと思います。(ジュンク堂書店福岡店担当者)

ロバート・A・ハインライン『夏への扉〔新訳版〕』小尾芙佐訳(早川書房)
《目覚めた先の未来には、希望しかない》
ぼくが飼っている猫のピートは、冬になるときまって”夏への扉”を探しはじめる。家にたくさんあるドアのどれかが夏に通じていると信じているからだ。そしてぼくもまた”夏への扉”を探していた。(早川書房選書チーム)

エイモア・トールズ『モスクワの伯爵』宇佐川晶子訳 (早川書房)
《ホテル住まいでも…紳士の流儀を貫くこと。人をもてなし、身のまわりを整え、人生を投げ出さないこと》
1922年、モスクワ。革命政府に無期限の軟禁刑を下されたロストフ伯爵。高級ホテルのスイートに住んでいたが、これからはその屋根裏で暮らさねばならない。ホテルを一歩出れば銃殺刑。陶酔と哀愁に満ちた長篇小説。(早川書房選書チーム)

アンディ・ウィアー『火星の人 上・下』小野田和子訳(ハヤカワ文庫SF)
《ジャガイモがあれば大丈夫。ひとりでも孤独じゃない。》
有人火星探査が開始されて3度目のミッションで、不運にも火星に取り残されたワトニー。不毛の惑星に一人残された彼は限られた食料・物資、自らの技術・知識(あとユーモア)を駆使して生き延びていく。映画「オデッセイ」原作。(早川書房選書チーム)

『書店主フィクリーの物語』ガブリエル・ゼヴィン ハヤカワepi文庫
《「本」好きなら知っている、大切なこと》
その書店は島で唯一の、小さな書店――みなが本を読み、買い、語り合う。人は孤島ではない。 本はそれぞれのたいせつな世界。これは本が人と人とをつなげる優しい物語。全世界の「本」を愛する人へ 。2016年本屋大賞受賞作
 (早川書房選書チーム)

レティシア・コロンバニ『三つ編み』齋藤可津子訳(早川書房)
《これは”わたしたち”の物語》
三大陸の三人の女性。かけ離れた境遇に生きる彼女たちに唯一共通するのは、自分の意志をつらぬく勇気。三人が理不尽な運命と闘うことを選んだとき、美しい髪をたどって、つながるはずのない物語が交差する。(早川書房選書チーム)

「早川書房編集部 根本佳祐さんのおすすめ」

『くじ』
オールタイムベスト級の〝怖い〟短篇小説集です。著者の冷徹なまでの筆致で紡ぎだされる人間の闇は、どんな血みどろのモンスターよりも恐ろしく、深く深く心をエグってきます。映画『ミッドサマー』ファンの方々は、表題作を是非どうぞ! 忘れられない読書体験を保証します。

『コールド・コールド・グラウンド』
本書を含む〈ショーン・ダフィ〉シリーズの持ち味はなんといってもそのカオスっぷりにあります。軍事組織が交錯し、諜報機関で暗躍する北アイルランド紛争地域で起こった奇怪な事件の数々。そんな混沌の状況に独り流されまいと立ち向かう、主人公ショーンのハードボイルドっぷりをご堪能ください。

『東の果て、夜へ』
ロサンゼルスしか知らない少年イーストは、仲間たちとともに2000マイルもの旅路へ。その目的は組織の裏切り者を殺すため……。
本作でとりわけ素晴らしいのは、物語が深まる第三部とそのラスト。情景が鮮やかに目に浮かぶ小説です。イーストの旅路の果てを見届けてください。

『生物学探偵セオ・クレイ 森の捕食者』
奇抜で個性的なキャラクターを期待して翻訳ミステリを手に取る方も多いのではないしょうか。そんな読者には生物学探偵セオ・クレイがオススメです。あまりに頭脳明晰すぎて周囲を出し抜くあまり、逆に疑いを掛けられる始末。読者の想像を遥かに超えた大活躍をする第二作ともども、ぜひ追いかけていただきたい作品です。

『元年春之祭』
いま翻訳小説界を席巻している華文(中国語)小説ムーブメント。その中から2000年以上前の中国を舞台にした本格ミステリを推薦します。密室状況での殺人と、読者への挑戦状! そして、この時代を選んだからこそ描くことができた衝撃的な結末は、現代を生きるわたしたちの心にも痛切に響きます。

早川書房HP:https://www.hayakawa-online.co.jp